7月26日 大相撲九月場所番付編成会議
日本相撲協会は26日、愛知県体育館で大相撲九月場所の番付編成会議を開き、
7戦全勝で名古屋場所の幕下優勝を果たした矢後の新十両昇進が決まりました。
改名はせず矢後のまま九月場所に臨みます。
関取当確の全勝優勝を果たした名古屋場所13日目から5日。
あの時、誰はばからず流した涙は、乾ききっていた。
晴れやかな表情で師匠の尾車親方(元大関琴風)と臨んだ会見。
矢後は「とりあえずホッとしました。昨日もグッスリ眠れました」と少し照れた。
所要2場所での新十両昇進は御嶽海に続き12人目の最速記録。こんな大器となれば改名が気になる。
だがしこ名は据え置き。
「1年かかって上がってもいいと思っていた」と話す師匠の見立てが、あまりのスピード出世に改名を考える時間もなく追いつかなかった-という推測は外れた。
「しゃれではないです」と断った上で尾車親方が経緯を説明した。
中大の先輩にあたる前頭豪風を交え、3人で話し合った末の結論だ。
「この世界に入って2場所で、まだヤゴじゃないか。(改名は)トンボになって羽ばたいたらでいい。
(出身地の)北海道の人に『矢後』の名を広めれば親孝行にもなる。慌ててトンボになる必要もない。羽を温めて羽ばたいたらでいい」。
代々、尾車部屋では関取になると師匠の現役時代のしこ名の1文字をとって「風」をつけている。
そんな慣例も、幼虫のヤゴから成虫のトンボになるまで待つ、というわけだ。
ちゃんこ番の皿洗いも師匠が「もういい」と言うまで黙々とこなす、真面目な学士力士。
187センチ、170キロの「気は優しくて力持ち」を地で行く矢後は「皆さんから応援していただける、格好いい力士になりたい」。
トンボになるその日まで、精進の日々が続く。(日刊スポーツより)